「幸運が買える、不幸が売れる市場」

ベトナムでは、新年旧暦の1月7日の夜中から8日の未明までの間にいずれかの商品を買えば、家族の皆さんに祝福され、一年間幸運に恵まれると言われている市場があります。

それは、北部NamDinh省のヴィエン市場（ChoVieng）です。

ヴィエン市場は毎年の年初に一度しか行われません。

毎年、ベトナムの全国で観光客は家族、親戚の皆さんに幸運を祈るために、この市場に集めて、商品を買って、持って帰ります。

ヴィエン市場は、売り手と買い手は商品の値段を問わず、幸運を買うことを願望するということです。

現在でも、ヴィエン市場は北部の人々の文化の伝統的美意識の一つであるとされています。

地元の高齢者によると、ヴィエン市場へ行くのは商品の値段を問わず、幸運を買いのが狙いです。そこで、人々は市場へ野菜、農具、植木、肉などを持参して行きます。

売り手と買い手は損益を構わずに、両方が「幸運を買う、不幸を売る」という気持ちを持っています。そのために、お金が要らない商品の販売もあります。農産のある人と農具のある人はそれらの商品の価値の差を思わずに、互いに交換することが出来ます。それがヴィエン市場の特徴です。

言い伝えによると、ヴィエン・フー市場は旧暦7日夜23時から翌朝1時まで開かれますので、「冥界市場」と呼ばれています。

市場の周辺には聖母を祀る神社があります。人々は、市場へ行く前に、その神社でお参りをします。

この神社はヴィエン・フー市場の創設者であるリェウ・ハイン聖母を祀っています。

年の始めに市場へ行くのは一年を通して幸運であることを祈願するのです。

この市場の商品は農具、種子、植木、果樹などがあって、それ以外に骨董品を扱うコーナーもあります。ダイ・ビ寺境内で、銅製と陶器の仏具や、茶たく、酒壷、ドラとシンバルなどの骨董品やガラクタが並べられます。

特に、ヴィエン市場で買い物は子牛の肉を欠かしてはいけません。赤肉は幸運をもたらすと言われるからです。

現在でも、ヴィエン市場に行く人々は多くなっています。幸運に恵まれる為に、誰もが、品物を買って帰ります。一番好まれる物は植木だそうです。

なぜなら、植木は幸福と平穏をもたらすと信じられているからです。